面接

 珍しく午前中に面接*1。30分ほどオーソドックスな流れ。これまでの経歴、退職理由、志望動機、仕事においての自分の強みなど。30分だと短く感じる。脈ナシか。

 最近の面接は殆どが午後からだったので、面接を終えて駅へ向かう道すがらの光景が新鮮に感じる。面接地へ向かった時の、会社の始業時間に向けて通勤路を慌しく進む群集は消えて*2、通りにはこれから昼営業のために飲食店を開ける準備をしている店員の姿があるくらいで閑散としていた。午前の日差しはまだ午後のそれに比べると穏やかで、出勤時の喧騒が治まった街が、再びオフィス街の昼休みに向けてウォームアップを始めたかのような状態だった。

「僕は店をあけたばかりのバーが好きなんだ。店の中の空気がまだきれいで、冷たくて、何もかもがぴかぴかに光っていて、バーテンが鏡に向かって、ネクタイがまがっていないか、髪が乱れていないかを確かめている。酒のびんがきれいに並び、グラスが美しく光って、客を待っているバーテンがその晩の最初の一杯をふって、きれいなマットの上におき、折りたたんだ小さなナプキンをそえる。それをゆっくりと味わう。静かなバーでの最初の静かな一杯―こんなすばらしいものはないぜ」

 ふと、チャンドラーの「長いお別れ」の一節を思い出した。そういえば、ギムレットなんて最近飲んでないなぁ。そもそも、前回バーに行ったのがいつだったかさえ覚えていない。

*1:久しぶりに目覚し時計を使用。

*2:自分もその群集の1人だったわけだが。